「ファイナルファンタジー」の「ビジュアル重視」路線
またも少々古い話になるのですが、以前エントリにも書いた、
国際ゲーム開発者会議であるGDC(Game Developers Conference)にて
おこなわれた、スクウェアエニックスの研究開発部の方の講演での発言が、
ネットで話題になりました。
スクエニ村田琢氏、「ホワイトエンジン」改め「Crystal Tools」を正式発表
「The Technology of FINAL FANTASY」、質疑応答も全文収録!!(GAME Watch)
そもそものこの講演の主題は、スクウェアエニックスが開発した、
全社統一の共通ゲーム開発ツールである「Crystal Tools」の紹介でした。
ハードの進化に伴い、国内外問わず、汎用のゲーム開発ツールの開発が
急務となっている中で、ついにスクウェアエニックスもその流れに
乗り出したという点で、大きな関心を呼んだ講演でした。
だったのですが、多くのユーザにとっては、この講演の中で出た、
「『ファイナルファンタジー』シリーズは、
キャラクタに非常に比重が置かれたゲーム」
「とにかく“魅せることありき”であり、どのようなキャラクタが、
どのような世界観の中で、どのような活躍をするのかみたいなところから
ゲーム作りが始まるところがあり、ひょっとすると皆さんから見ると
特異に写るかも知れない」
というところに注目が集まる結果となり、掲示板やブログなど
ネットの各所でこの件に関する議論が繰り広げられたようです。
肯定、否定、ともに多くの意見があるかとは思いますが、
私たちがこの議論をする際に、ひとつだけ忘れてはいけないことが
あると私は考えています。
第二次?ダウンロードゲームビジネスの幕開けのために
GDCでも発表がありましたが、Xbox360で、ユーザが作った
インディーゲームをXbox360で配信するサービスや、
また、Wiiでも本格的に新作ソフトをダウンロード販売する
時期が決定したということで、現在主流の据え置きゲーム機の
すべてでゲームのダウンロードビジネスが出揃い、
今後ますます活発になっていくことが予感されています。
しかしながら、ダウンロードビジネスにはさまざまな
障壁も立ちふさがっていることも事実です。
ひとつには、大前提として、インターネット環境が整っている
ユーザにしか利用することができないということ。
今でこそかなり格差は無くなりつつあるとは思いますが、
都心部と郊外ではやはり受けられるサービスに
差が出ることがネックになっていました。
それに準じて、インターネットの整備はプロバイダや
回線業者に任せる部分が大きいため、
ゲーム業界からではタッチできないところが大きいのも
ビジネスとして不確定な要素のひとつでしょう。
インターネットに関する知識についても、
人によって大きな差があるため、万人に利用できる
サービスとは言いがたいものがあります。
ただ、最近ではWiiとNTTが協力関係にあるので、
この問題は徐々に解消されていくかもしれません。
最近のゲームの大容量化も大きな原因となります。
いくら光ファイバーが整いつつあるとは言え、
数ギガバイトもあるゲームソフトを、インターネット経由で
ダウンロードしようと思った場合、かなり潤沢な
インフラがあったとしても、数時間を要するはずです。
セキュリティ面でもダウンロードサービスはメーカーに
敬遠される理由のひとつになっています。
コピープロテクトや、ユーザ認証など、複雑なセキュリティの
システムを用意しておかなければ、たちどころにして
違法ソフトばかりが横行することになってしまいます。
そして、ここも大きな問題ですが、小売店にとって
旨味がないため、ユーザへの浸透に時間がかかるということ。
ダウンロード販売ではメーカーとプラットフォームホルダー
にしか利益が発生しない仕組みになっているため、
小売店による広告宣伝効果がまったく期待できません。
ただでさえ、amazonのようなネット販売による購買手段が
シェアを伸ばしている中で、よりインターネットに
依存する方向性に行くのは望ましくないと思われるでしょう。
また、売り上げの正確な数字をプラットフォームホルダー
とメーカーだけが握ることになってしまうため、マーケティングを
ビジネスにしているメディア(つまりはエンターブレインですが)
にとっても旨味の少なく、協力が得にくいというのも
あるのではないかと思います。
上記のような理由から、ゲームのダウンロードビジネス
というのは難しいものとされてきました。
しかしながら、実は、ゲームのダウンロードサービスというのは、
今に始まったことではなく、以前にも存在していました。
国際ゲーム開発者会議、GDC08が今年も開催
去る2/18〜2/22の間、毎年恒例となっている国際ゲーム開発者会議、
「GDC08」(Game Developers Conference)がアメリカの
サンフランシスコにて開催されました。
今年の日本人講演者としては、ユーザの方もご存知の方が多いと思われる、
「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのディレクターである桜井政博氏や、
グラスホッパーマニュファクチュアのサウンドを手がける高田雅史氏、
「Wii Fit」の開発者である沢野孝雄氏などが名を連ねています。
日本のメディアでは、Game Watchや、ファミ通.comが詳しく取り上げています。
Game Developers Conference 2008 記事リンク集(Game Watch)
ファミ通.comのトップページ
新作発表や、新しいサービスの発表がある場でもあり、
最近では開発者のみならず、ユーザの方にも馴染みのあるものに
なってきたのではないかと思います。
今年で言うと、Microsoftからの、XNAによるインディーゲームの
配信サービスが始まる話や、「NINJA GAIDEN 2」の発売日の発表、
「Gears Of War 2」の制作発表などがありました。
また、GDCでは毎年、ゲーム開発者が選ぶ、Game Developers Choice Awards
というものがあり、その年でもっとも優れていたゲームを、
ゲーム開発者の視点から決めるというちょっと変わったゲーム大賞があります。
この賞は、ゲームの売れ行きとは関係なく、開発者の投票のみで
おこなわれるものなので、結果がメディアの選ぶゲーム大賞とは
少し異なるところに面白みがあるアワードとなっています。
ちなみに、今年の大賞は、Half-LifeシリーズでおなじみのValve社が
手がけた「PORTAL」という一人称視点の3Dパズルゲームです。
もともとは学生達によるチームが作っていたこのゲーム、
その開発版の完成度を見たValve社が、チームをまるごと
ヘッドハントしたという逸話がある作品です。
そんなGDCですが、今回は、Xbox Liveで始まるという、
インディーズの自作ゲームの共有を開始したというニュースと、
Wiiのダウンロードゲーム配信サービスである、Wiiウェアの
専用ソフトの開発についての、スクウェアエニックスによる講演が
ともに目に留まりました。
いよいよ本格的に、世界規模でのゲームのダウンロードサービスが
始まろうという空気を感じるこれらのセッション内容を読んで、
これからのダウンロードゲームサービスのあり方について、
もう少し詳しく書いてみたいと思います。
少し長くなりそうなので、次のエントリに続きます。
海外のGOTY、日本のGOTY(3)
またずいぶんと間が空きました。
さて、最後に海外でちょっと変わったGOTYが発表されたので、
それも合わせて紹介しておきます。
IndieGames.com Best-Of Features
IndieGames.comという、世界中のインディーズのゲームを
紹介しているサイトが選んだ、2007年のGOTYが発表されています。
このサイトは、アメリカで毎年開催されているゲーム開発者会議、
GDC(Game Developers Conference)や、ゲーム開発者向け雑誌、
Game Developers Magazine、同じくゲーム開発者向け情報サイト、
Gamasutra.comをプロデュースしている団体が、
同じく運営しているインディーズゲーム専門情報サイトです。
現在のところ、掲載されているGOTYは6本で、7本目が現在執筆中です。
1つ目は、スウェーデンの凄腕インディーゲームクリエイターの
CACTUS SOFTWAREのソフトだけを集めたランキングです。
Best Freeware Games by cactus 2007(IndieGames.com)
まだ22歳という若さで、この数年でものすごい数のゲームを
作成しているというだけでも驚きですが、その制作時間が、
長いものでも2ヶ月、短いものだと4時間という、
とんでもないものまであります。
正直、「なんじゃこりゃ」というようなものもありますが、
どれもこれも強烈な個性を放っていることだけは確かです。
そして、これがその中で1位に輝いた、「Akuchizoku(悪血族)」
というシューティングゲームです。
「R-TYPE」シリーズのようなフォース状の武器を持っていて、
これを「19XX」のように敵に付着させることで、
弾をホーミングさせて敵を倒すゲームのようです。
(シューティングゲーマーにしか分からない例えをあえて用いております)
海外のGOTY、日本のGOTY(2)
さて、前回のエントリで、日本のGame of the Year
(略してGOTY:その年一番よかったゲームを表彰するという催し)が
いまいち盛り上がっていないというお話を書きました。
CESAが主催し、東京ゲームショウで発表している、「日本ゲーム大賞」
のお話をしましたので、今度は、エンターブレインが主催している、
「ファミ通アワード」のお話をしてみます。
エンターブレインと言えば、良くも悪くも業界ナンバーワンの
ゲーム情報誌である「ファミ通」の発行元です。
ファミ通アワードは、読者の投票を元にして、
「なんらかの」厳正な審査の上で決定される賞です。
2007年に発売されたソフトの中からNo.1を決める!! ファミ通アワード 2007(ファミ通.com)
2006年の結果を見る限り、まあ妥当とも言えますし、
作為的に見える人もいるかもしれません。
つい最近話題になった、「らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜」の
仕様について間違った記載があったという事件からもわかるように、
何かと黒い噂の絶えないファミ通のことですので、
賛否両論あるのは仕方のないところでしょう。






