「日本が始まった」の理由 Game Programmer's (web)Log

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「日本が始まった」の理由

前回のゲーム開発スタイルに関するエントリの続きです。

スクウェア・エニックスが、ゲームエンジンの開発スタッフの
募集サイトをオープンしました。

ゲームエンジン開発者募集一覧 | SQUARE ENIX - RECRUITING -

このサイトに書かれている、CTOの橋本氏のメッセージを読んで、
非常に強い共感を覚えました。

「生産性と合理性の高い開発環境があってこそ、
初めて気合と根性と職人技が発揮できる」

という発言は大いにうなづける話です。頭では分かっていても
実際にアクションを起こすことができないでいた
日本中のゲーム開発者達が集結することが期待されます。

私が考えるに、欧米のゲーム開発スタイルというのは、
「加速力重視」だと思っています。
同世代向けにF-ZEROで例えればゴールデンフォックス、
マリオカートで例えればキノピオタイプです。
それに対して、日本のゲーム開発スタイルというのは、
「最高速重視」だと思っています。
同じくF-ZEROではファイアスティングレイ、マリオカートではクッパタイプです。
これはどちらかというと、開発スタイルというより、開発者の素質、の部分ですが。

昔のゲーム開発とは、例えればカーブの少ない、舗装されたオーバルコースです。
思い描いたゴールに向かって、まっしぐらに進むことができたと言えます。
(当時の開発を知らないため、あくまで推測であることを付け加えておきます)

しかしながら、現在のゲーム開発とは、カーブの多いダートコースと言えます。
しばしば障害に阻まれ減速し、場合によっては後戻りを強いられることもあります。
最高スピードが高くとも、そこに達する前に減速してしまえば
本来の強さが出せません。

日本人開発者が誇る最高スピードを引き出す加速力をもたらすのが、
まさに先程のゲームエンジンであり、つまりは欧米のゲーム開発スタイルが
長年ずっとアドバンテージとして誇っていたものです。

元来日本人が得意としてきた、細かなゲームバランスの調整や、
独創的なゲームデザインは、すべて十分な試行錯誤の時間がある前提でこそ
活きるものであり、
厳しい納期や膨大な物量の前では発揮することは難しいです。

日本人の持つ気合、根性、職人技は、世界に誇るものだと私も考えます。
しかし、それらの能力は、今まで、ゲームが面白くなることとは無関係の
あさっての方向に向けられていました。
本来ならばしなくてもいい徹夜作業で肉体も神経もすり減らし、
目指していたクオリティのゲームが作れず失意のまま撤退、
というケースはこの数年のゲーム業界では珍しいことでもないと思います。

ゲームエンジンは、余計な作業をすべて効率化し、
本来開発者が割くべき労力を、ゲームの面白さにのみ
注力させることを目的とします。

決して、楽してゲームを完成させるためにあるわけではありません。

しかし、「ゲームエンジンを使うことで、どれも似たようなゲームになってしまう」
という誤解を持ったゲーム開発者はいまだにいますが、
そのようなゲームエンジンはいいエンジンとは呼べません。
(そもそも、独創的なゲームデザインがここ最近できていたのか、
独創的であることと完成度とは別の問題ではないのかという議論もありますが、
そこは考えないことにします)

コナミも「FOX ENGINE」と呼ばれるゲームエンジンの開発に着手しており、
日本国内では先んじて有名となったカプコンの「MT Framework」や、
日本初の商用国産ゲームエンジンである「OROCHI」とも並んで、
日本のゲーム業界では「ゲームエンジン元年」と呼べる時代が
来たのかもしれません。


このスクウェア・エニックスが手がけるゲームエンジンが、
多くの面白いゲームを生んでくれることを大いに期待しています。

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2011年06月30日 Game Development トラックバック(0) コメント(0)












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