「アーケードシューティングの未来」なんてない Game Programmer's (web)Log

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「アーケードシューティングの未来」なんてない

あけましておめでとうございます(今更)

完全な放置状態ではありましたが、まだ生きております。
Twitterでもほとんどつぶやいていない日々が続きましたが、
峠は過ぎましたので、また今後もいろいろ書き記していきたいと思います。

しばらく放置している間に、いつの間にかTwitterウィジェットも
仕様が変わったのか表示されなくなっていたのでメンテナンスしました。

今回は以前のエントリの続きとも言えるお話です。
アーケードシューティングの未来
あえてまた挑発的なタイトルをつけさせていただきました。

さて、IndieGames.comの少し前のブログ記事にて、
とある日本製のインディーズ弾幕系シューティング
(bullet hell shooter)が紹介されていました。

その記事はこちらです。
Indie Game Pick: Crimzon Clover (Yotsubane) (IndieGames.com)

YouTubeの動画もあります。



「Crimzon Clover」と銘打たれたこのシューター、
ご覧いただければすぐにお分かりいただけると思いますが、
インディーズとは思えない素晴らしいクオリティに
仕上がっていることが映像からでも十分に伝わってくると思います。

そしてなにより、私を含むアーケードシューターファンには、
これが恐ろしいまでにCAVE(株式会社ケイブ)作品を
研究し尽くして作られたゲーム
であることが、
一目見ただけでもお分かりいただけると思います。
(あまりにもテイストが似すぎているので作者は関係者ではないか
とも思いますがそれはこの際置いておくことにします)

このようなものを見せられてしまうと、
「すでに(少なくともシューターのジャンルにおいては)
メジャーとインディーズの境界は限りなく薄いものになっている
という点は否定のできない事実と言わざるをえないでしょう。

こういった意見に対して、
「いやいや、メジャーの方が人材にも予算にもアドバンテージが
あるだろう」と思われる方も多いかと思いますし、
実際に私もそう思うところはあります。
ただし、アーケードシューターのような(すでに)ニッチな
ジャンルにおいてはそれも通用しない時代が来ている
ように思います。

以前のエントリにも書きましたが、ジャンルとしてのではなく、
ビジネスとしてのアーケードゲームというのはかなり厳しいところまで
追い込まれていると言って過言ではないと思います。
だからこそ、アーケードゲームは変容を迫られ、
一昔前の格闘ゲーム、弾幕シューティング、音楽ゲームのブームから、
そして昨今の育成系カードゲームが主流の時代にシフトしています。
すべてはその当時のアーケードビジネスのスタイルに合わせた
ゲームデザインの変化と言ってよいかと思います。

今のアーケードゲームに求められているのは、オンラインゲームと
似た状況ではあると思いますが「定期的なアップデートと短期的な
リピートに対する報酬を与えるゲームデザイン」
だと思います。

以前であれば、プレイヤーの「上達」と、それに付随する
「ハイスコア」こそが、プレイヤーが得る何よりの報酬でしたが、
RPG全盛の日本人のゲームスタイルにとっては、やはり確固たる
「数字」の報酬が何よりプレイヤーを惹きつける要素であると
言えるかと思います。

そんな時代のトレンドに逆行していると言わざるをえない
アーケードシューターのビジネスが取るべき道と言えば、
やはり「安定したクオリティのゲームを定期的にリリースし続ける」
ことに行き着くのだと思います。

そして、これをビジネスとして成立させているいくつかのメーカーは、
先述した、「プロ(メジャー)たりえる人材と予算」の多くを、
この「安定したクオリティを安定した工期でリリースする」
ということに割いている
のだと私は考えています。
この点だけは、やはりインディーズでは真似できない一番大きな
メジャーとしてのアドバンテージだと思います。

ただし、インディーズの開発者が、持てる力を「クオリティ」に
注ぎ込み、スケジュールやビジネスを度外視した場合に、
(「Crimzon Clover」の開発者がスケジュールを度外視している
という意味ではありませんのであしからず)
その「クオリティ」が製品レベルに達してしまうという現象が、
昨今のインディーズゲームシーンではよく見られるようになりました。

仮にこのようなインディーズ団体が世の中に4つあり、
それぞれの団体が2年かけて1本を作り上げた場合、
世の中に、製品レベルのシューターゲームが半年に一度は
リリースされることになります。


これはすなわち、ひとつのメジャー会社が製品をリリースする
ペースとほとんど変わらないということになります。

しかも、インディーズゲームの場合、ビジネスとしてではなく、
数人または個人での活動になるため、1本あたりの単価は
メジャー会社の製品よりも安くなることが一般的です。

消費者として考えたとき、同じクオリティであれば、
いろいろな感情はあってもやはり安いものに手を出したくなる
というのが正直なところだと思います。
そして、たびたび例に出しますが「東方プロジェクト」のように
質の高いシューターというのは、他にも枚挙にいとまがないほど
数多く存在しています。
それは過去のIndieGames.comの記事や、Vectorなどの
ダウンロードサイトの人気ソフトを見ていくだけでも
すぐに実感することができるかと思います。

そうなると、次はメジャーのシューターメーカーが次にどのような
手を打つべきなのかということに話が移るかと思います。

私が思いつくような安易な案ということになりますが、
やはり「メジャーにしか実現できないクオリティを達成する」
一点しかないように思います。
そして、それは他のジャンル(代表的なのはRPG)がインディーズと
世界を住み分けるためにこれまでに行われてきたことでもあります。

「最先端技術の美麗なグラフィック」
「豪華な声優陣」
「有名イラストレーター・作曲家を起用」
「壮大なシナリオ・デモシーン」
「何度でも遊べるボリューム」
などなど、正攻法、裏口も含めていくつか方法はある気がします。
そのうちいくつかは、ゲームデザインの本質とは外れた内容ですが、
ビデオゲームの「付加価値」が重要視されるようになったのは
今に始まったことではなく、それもやはり前述の
「東方プロジェクト」がこれでもかというほど実証済みと言えます。

私自身は、シューターというジャンルがビジネスとして死んでしまった
とは全く思っていませんが、
「アーケードシューター」に関しては、
やはり何かしらの変容を迫られているのではないかというのが
これらを踏まえた個人的見解ですが、シューターファンの方は
今の状況をどう思われるでしょうか。

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2010年02月10日 Game Business トラックバック(0) コメント(8)

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2010年02月14日 編集

ユーチューブのゲームを見ましたが、正直言って面白そうでは無いと思いました

良く勘違いしやすいのがクオリティ(品質)と面白さです

一般的なクオリティというのは豪華にすること

豪華にすれば面白いとは限らない

一般的な成功とは商業的に採算が出る事

肥大化した企業が採算の出ないシューティングを作り辛いのは必然

ゲームが採算を求める時代になった以上、企業サイドが「採算」を求めるか「面白さ」を求めるかは今後、分かれるだろう

2010年02月15日 シューター URL 編集

ケイブ+レイシリーズと言うわけですね。わかります。

2010年02月15日 匿名 URL 編集

同人というのは良くも悪くも作り手側が好きに作るものですから、
企業がそれに対抗するには、企業という組織にしかできないスタンスやアプローチで商売するしかなさそうです
でも「金をかける」のではなく、「企業が持つリソースやコネクションを生かす」という方向でやって欲しいですね
既存のものに囚われないジャンルを創設してそれを商売的に継続させる、なんてのは、やはり企業にこそ率先してやって頂きたいものですが…

2010年02月17日 URL 編集

エントリを書いてからしばらく拍手がつかなかったので、
やっぱり間を空けすぎて忘れられてしまったのかな…
と諦めかけていたのですが、突然コメントがついて嬉しく思います。
どこかにリンクしていただいたのでしょうか。

◆非公開の匿名の方
ご指摘いただきありがとうございます。

wikipediaの「シューティングゲーム」の項目をご覧いただければ
私の答えが載っております。
コメント欄にリンクは載せられない設定にしておりますので
申し訳ございませんがご自分で検索してみてください。

◆シューターさん
コメントありがとうございます。

何を面白いと思うかどうかは人によりけりだと思いますので
仕方ありませんが、ご紹介したゲームが面白そうに
感じていただけなかったのは残念です。
私自身が遊んだことがないのでなんとも言えませんが、
ケイブのシューターで青春時代を過ごしたとも言える自分には
とても魅力的に映ったことはご理解いただければと思います。

豪華さと面白さは違う、という点についてはおっしゃる通りだと思います。
(宮本茂氏もそのような発言をされていましたね)
豪華な方が人の目を引きやすく、評価も批判もされやすいのは事実でしょう。

「ゲームが採算を求めるようになった」というのは、
今に始まったことではないと思っています。
企業としてゲームを作っている以上、採算を考えない企業はありません。
強いて言えば、はるか以前はタイトな販売戦略を立てなくても
それなりの数を売ることができたが、今はそうはいかない、
というくらいではないでしょうか。

◆匿名さん
的確なコメントありがとうございます。
そうなんです。そうなんですよ!
さすが分かっていらっしゃる!
レーザーの軌道はまさにレイストームのそれですし。

◆名前のない匿名さん
コメントありがとうございます。

企業には企業にしかできないことをやるべきだ、というのは
私もまさにそう思います。
そういう思いで今ゲーム会社に勤めていますので。

ただ、「企業が持つリソースやコネクション」というのは、
私はやはりお金から生まれるものだというのが、
そこそこの年数会社でゲームを開発してきた私の結論です。
それが株式会社であればなおのことそうなります。
優秀な人材、余裕のある研究期間、的確なマーケッティング、
それらはやはりお金がないと用意することは困難です。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの任天堂でも、(推測ですが)とてつもない
お金を使ってゲームを売っているからこその今だと思います。
単に、それが開発費ではなく宣伝費に向いているだけのことです。
DSのデビューCMに宇多田ヒカルを起用したことがそれを物語っています。

最近では、むしろ革新的なのはインディーズで、
企業がそのアイデアをお借りして、お金をかけて大きく売る、
というケースが増えてきました。
その割にはあまりその「革新的な」ゲームが売れてくれないのが
なんとも寂しいところではありますが…

2010年02月18日 ykyky URL 編集

またお前か

2010年02月24日 URL 編集

東方のオリジナルのゲーム自体は、商売としては飛び抜けて成功しているわけではないと思います。
販売数を正確に知るのはまず不可能ですが、STGとして特に多いわけではないでしょう。
コミケ会場の1ブースという狭い場所で、たった6時間という短い時間では、効率よく裁いても1万枚程度が限界です。
さらに、店頭での販売はなぜか1ヶ月以上遅れて行われるため、その前に違法ダウンロードによってほとんどの人にゲームが行き渡ってしまいます。そのため、店頭に置ける販売数は限定的なものにとどまると予想できます。

ビジネスとして東方を見習うのであれば、それは、東方の二次創作市場に相当するものを自ら作りだし、そこから収入を得ることでしょう。しかし、これはSTG、あるいはゲーム自体のクオリティや売れ行きとは関係がありません。

2010年02月25日 つ(*゚ー゚) URL 編集

返信が遅れてしまいました。

◆匿名さん
???

◆つ(*゚ー゚) さん
販売方法まで同人を参考にする必要はないと思っています。
そもそも、本来の目的から言えば、同人活動は商売が目的ではないので、
(建前や本音の話は抜きにしておきますが)
販売方法が非効率的なのはある意味当然だと思います。

とは言っても、単価が違うため、売上額で比較はできませんが、
1日の間だけで1万枚売るというのは、STG業界界隈では
かなりの大金星に近いです。

コンシューマのSTGでは、発売後1週間で1万枚売れないゲームが
当たり前のように存在しています。
もっとも有名な(と個人的に認識している)CAVEのタイトルでも、
2万枚に届くものは限られてきます。
逆に考えると、付加価値が薄い、純粋なSTGに6000円前後の
お金を支払おうという人の数の天井がそのくらいではないかと
考えられます。
だからこそ、今回のエントリのように、安くて質のいい
同人シューティングに人が流れ、アーケードシューティングが
ビジネスにならなくなるのではと思った次第です。

「同人」という販売形態だからこその1万枚ですが、
仮にこれがコンシューマで発売された場合、
それよりも多くの枚数を売ることができるであろうことは、
今の勢いを見る限り間違いないと思います。
そのときは、おそらく他のどのSTGタイトルの売上額をも
超えていくことと思います。

また、キャラクター人気や二次創作人気というのは、
企業としては喉から手が出るほど欲しがる「ブランド」です。
ゲーム単体は、どうしても技術の進化により劣化が否めず、
何より開発費が莫大なため、どうしても費用対効果が
低くなりがちです。
一度築き上げられた「ブランド」は劣化しにくいため、
(もちろん劣化させない努力が必要になりますが)
そこで得られた利益をゲームの開発費に回すことで、
よいゲームが出来、ブランド力が高まるという
よりよいスパイラルに入ることができます。

今、ゲーム単体だけでビジネスをしようというパブリッシャーは
日本中どこを探してももはや存在しないと見ていいと思います。
(世界的にもそう言えるかもしれません。)
リスクヘッジの意味合いもありますが、ゲームの開発費の確保
という意味でも、ブランド力の強化は企業としては絶対条件になります。

2010年03月16日 ykyky URL 編集












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