ゲームに「ヘルプ機能」は必要なのか? Game Programmer's (web)Log

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ゲームに「ヘルプ機能」は必要なのか?

すでにさまざまなメディアで取り上げられていますが、
任天堂の「マリオ」の生みの親である、かの有名な宮本茂氏が、
様々な熟練度を持ったプレイヤーが等しくゲームを楽しむために、
ゲームに「ヘルプ機能」を搭載するという話が出ています。

宮本茂氏、Wiiのゲームに搭載する“ヘルプ機能”の存在を認める(iNSIDE)

そして、元ネタとなったkotakuの記事はこちら。

Shigeru Miyamoto Spills Beans On "Kind Code"... Almost(kotaku)

この機能はWiiでリリースされる「New スーパーマリオブラザーズ Wii」に
搭載される予定で、今後のゲームにも搭載されるそうです。

これに対するインターネットでの反応は、想像通りと申しますか、
やはり否定的な意見が大半を占めているように感じました。

奇しくも以前に難易度に関するエントリを書いたばかりでしたので、
そちらもお読みいただければ幸いですが、
私個人のゲーマーとしての意見としては、
やはり自分にとっては必要のないものだと思います。

ただ、曲がりなりにも世界中のゲーム開発者から「神」や「ヒーロー」と
称えられる宮本氏の発言ですから、そこにはやはりポジティブな思惑が
きっと何かあるはずです。

私は作り手でもありますので、神に近づくためにもこの題材を肯定的に捉え、
どうしたら面白くできるのか、想像してみたいと思います。

まず、やはりどうしても避けて通れない問題として
挙げられるのは、攻略本や攻略サイトの存在でしょう。

ポケモンやファイナルファンタジーなど、
有名ゲームの攻略本がどれだけ望まれているのかというのは、
その売り上げを見ればすぐに分かることだと思います。
当然ながら、攻略サイトのアクセス数もかなりの数だと想像できます。

本来であれば、そのようなゲームの情報を、学校や職場で交換しあうことが
すでに楽しいことではあるのですが、それができる環境がない人もいれば、
真っ先に必要な情報が知りたいという人もいるでしょう。
だからこそ攻略本や攻略サイトの存在は消えることはありません。

しかし、攻略本や攻略サイトは、どうしても一方通行のメディアであり、
受ける側の人が、知りたい情報の範囲をコントロールすることは
難しいものがあります。
プレイヤー一人一人に対して、きめ細やかに、
ゲームの持ち味を殺さない程度に粋なヒントを出す
ということは、これらのメディアには不可能です。

ゲームはもともとインタラクティブなメディアですので、
プレイヤーの技量を測ることができます。
どこでつまづいているのか知ることができますし、
どの程度のヒントを欲しているのかを知ることができます。
そのヒントが最大限に活きるタイミングを
測りながら出すことができます。

学校にいるゲームに詳しい親友がそこにいるかのように、
言うなれば「ヒントソムリエ」がゲームの中にいると思えば、
攻略本では代用できない存在にできるのではないでしょうか。

少なからず、最近のゲームでは、チュートリアルやヒント機能
という形で、これに近い機能はすでに持っているものが
ほとんどではないかと思っていますので、
今のプレイヤーとの親和性がそれほど低いとは思っていません。

愛のないネタバレ情報を淡々と流し続けるメディアよりは、
プレイヤーの楽しさを第一に考えてヒントを与えてくれる人の方へ
誘導したいという気持ちはないとは言えないでしょう。

さらに話を進めてみましょう。

Wiiには、インターネットを介したフレンド登録の機能と、
Miiという似顔絵キャラクター機能があります。

例えば、そこそこアクションゲームには腕に覚えがある私と、
私のフレンドで、ゲームはたまに遊ぶ程度という友人が、
まったく別々に「スーパーマリオ」を遊んでいたとしましょう。



私は順調にゲームを進めていましたが、友人がとあるステージで、
どうしてもクリアできない難所にさしかかりました。

そうすると、友人のゲーム画面に、私のMiiが現れてこう言います。
「そのステージだったらもうクリアしたから、
コントローラ貸してくれたら代わりにクリアしてあげようか?
それともヒントだけ教えてあげようか?」


友人は、私のMiiに、代わりにステージをクリアしてくれるように
お願いをしました。とは言え、その難所は私も何度となく失敗し、
ようやくクリアできたステージなので、画面内のMiiも必死に挑戦し、
何度となく失敗します。

何度かの挑戦の後、ようやくそのステージをクリアした私のMii、
「何人かやられちゃったけどごめん、また何かあったら呼んで。」
とだけ告げて去っていきます。

何日か後、友人はまた別のステージで行き詰っていました。
私のMiiを呼んだ友人でしたが、私のMiiは今度はこう言いました。
「最近忙しいからそのステージまだクリアできてないんだよ。
フレンドにもうクリアした人がいたはずだから、
その人にお願いしてみる。」


そうすると、私のMiiが、全く知らない別のMiiを連れて画面に現れます。
私のMiiの代わりに、別のMiiがゲームをプレイし、華麗にステージを
クリアすると、颯爽と去っていきました。



と、ファミコン時代を過ごした方なら、きっと一度はどちらかの立場で
こういったシチュエーションを経験しているのではないでしょうか?
ゲームのセーブデータの一部を、フレンド同士で共有すれば、
こんな体験がゲーム中に再現できるようになるかもしれません。

最初に書いたとおり、「ヘルプ機能」(と呼ばれるもの)の
本来の目的は「上級者も初級者も万人が同じゲームを
楽しめるようにするため」です。

間違っても「初心者に無理やりにでもゲームを延命させるため」
ではありません。

上級者は上級者なりに、初心者の手助けになるように
ゲームを進めておくとか、ヒントを残しておくといった楽しみは、
昨今のMMORPGでのプレイヤーによるボランティアや、
具体的なタイトルでは「デモンズソウル」のヒントの共有機能が
すでに実証しているといえます。

つまり、すでに我々は、形は違うものの、すでに数多くの
「ヘルプ機能」の中でゲームをすることに慣れているとも言えます。
プレイヤーの楽しさを広げる「ヘルプ機能」については
ひょっとしたら、まだまだ創作の余地が残されているのかもしれません。


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2009年06月18日 Game Contents トラックバック(0) コメント(2)

素晴らしい記事ですね。
まさにこういうことをミヤモトさんは考えているんだと思います。

僕のまわりにも初心者がいて、
そういう人にはあったらうれしい機能なのは間違いありません。

DS発売からもう何年もたつのに
ミヤモトさんがまだこのレベルの人のことを
真剣に考えていたことにあらためて気付かされ驚いています。

2009年06月21日 コンラッド URL 編集

2ヶ月近くも放置してしまいまして申し訳ありません。
「全レス主義」は未だに健在です。

◆コンラッドさん
コメントありがとうございます。

「ヘルプ機能」の正体は「スキップ機能」と正式に発表されましたが、
ゲーム(特に上手下手がはっきり現れるタイプ)があまり得意ではない、
という人にとって、それでもゲームを買った分は遊びたい、
という欲求を満たせる素晴らしい機能だと思います。

ただ、ファミコン時代を思い返すと、
(保存機能がなかった都合もありますが)
ステージをスキップできる機能を持ったゲームはいくつもあり、
その当時は当たり前だったものを、今の時代にうまく流用している
という風にも考えられます。

今ビデオゲームの主流を占めるRPGの魅力として、
「時間さえかければ(ほぼ)誰にでも最後まで楽しめる」
という要素があるのは、ある意味ではこれと同じではないでしょうか。

ゲームが得意でない人たちにとって重要なのは、
「クリアできるかどうか」ではなく、
「楽しめるかどうか」だということをきちんと見据えた、
宮本氏ならではの発想ではないかなと私も思いました。

2009年08月15日 ykyky URL 編集












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