「ロックマン9」にまつわる開発のおはなし Game Programmer's (web)Log

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「ロックマン9」にまつわる開発のおはなし

ネタとしては古くなりますが、カプコンから、「ロックマン」シリーズの最新作が
WiiWareを初め、Xbox Live Arcade(XBLA)、Playstation Network(PSN)の
3機種にてダウンロード専売ソフトとして発売されることが決定し、
すでにいくつかの海外メディアがプレビューを発表しています。

海外メディアであるGamesRaderでは、今回登場する、
いわゆる「8ボス」についての説明が紹介されており、
その中で、初の女性ボスである「Splash Woman」の
存在が明らかにされています。


Mega Man 9 - EXCLUSIVE reveal(GamesRader)

また、GameTrailers.comでも、公式のトレイラーを初め、
E3会場でのカメラの直撮りによるゲームプレイ動画がアップロードされています。

公式トレイラー(曲が素晴らしい!)


ゲームプレイ(おそらくプラグマンのステージと思われます)


そんな中、国内のニュースサイトであるiNSIDEでも取りあげられた際に、
多数のユーザによるコメントがつきました。

『ロックマン9 野望の復活!!』スクリーンショット初公開!価格は1000Wiiポイント(iNSIDE)

主旨となっているのは、1000Wiiポイント(1000円に相当)という価格が
妥当かどうか、
そして、ファミコンのクオリティのゲームを開発するための
スキル
についてです。

先に、開発に関する点についていくつか思うところを書いておきます。

まず、今回の「ロックマン9」を開発した会社ですが、今まで「ロックマンゼロ」
シリーズなどを手がけてきたインティクリエイツという会社であり、
この会社のメンバーは、過去にカプコンでそのファミコンのロックマンを
実際に開発していた方々が中心になっているそうです。

ですので、持っているスキルを十分に発揮できる場であったと思われます。

インティクリエイツ

ファミコンのクオリティで作る、ということが簡単なことなのかどうか、
ということに関して言えば、少なくとも、ビジュアルやサウンドに関しては、
かなり難しいことではないかと思います。


2Dのドット絵を描くというのがいかにコストがかかるか、
というのは、以前のエントリでもご紹介させていただきましたが、
ファミコンクオリティとなると、さらにいろいろな制約が入ります。

まずキャラクターの色数に制限があります。(ファミコンは3色でした)
これを超えると、逆にファミコンっぽさが失われてしまうため、
あまり色を多用するわけにはいきません。
色が少ないということは、影の表現などが制限されるので、
丸みや角など、立体感を出すことが難しくなります。

追記:(ファミコンでは一般的にキャラクターで使用できる色数は3色とされていました)
(コメント欄を参照してください:匿名さんご指摘ありがとうございます)

さらに、解像度(ドット数)の制限があります。
顔全体を8x8ドット程度で表現しなければならなかったりするため、
顔の表情などは当然作れません。
それでもロックマンはまばたきをしたり、口を開いたりします。
ダメージを受けると痛そうな顔もします。
そのあたりの作りこみが、ロックマンのキャラクターを
豊かにした結果につながったのではないかと思います。

例えば、16x16ドットで、3色という制限で、
きらきらしたきれいな球体の物質を描いてください、だとか、
水の表現を描いてください、と言われて描ける人がどれほどいるか、
ということを考えると、逆にファミコンのクオリティを再現する、
ということの難しさが想像していただけるのではないかと思います。

今回はロックマンの新作ですから、キャラパターンは過去のものを流用し、
ある程度は負担を減らしているところは見受けられますが、
それでも8ボスはすべて新規に作成しなければなりませんし、
その労力はかなりのものかと思われます。

サウンドに関しても同様で、「ファミコンっぽい曲」を再現するには、
音数と使用できる音源に制限が入ります。
作曲とひとえに言っても、クラシックを作るのと、テクノを作るのとでは
まったくセンスが異なるように(根本部分では同じかもしれませんが)、
ファミコンらしい曲を作るにはそれに応じた別の技術が必要になります。

ただ作る、というだけであれば、割と誰にでもできることかもしれませんが、
「ロックマン」という看板がついているだけに、それだけのクオリティに
達するものを作ろうと思うと、やはりかなり人は限られてくると思います。

と、グラフィックやサウンドに関しては以上のように、現在ゲーム開発に
携わっている人なら誰にでもできるような簡単なものではありませんが、
ことプログラムに関しては、制限する必要がありませんから、
こちらについては逆に昔よりもやりやすくなっているはずです。

ファミコン時代では、ハードの性能も貧弱で、開発環境も今ほど
ちゃんと整っていなかった頃の話ですので、選択肢としては、
アセンブラで記述するしかなかったと聞いています。
アセンブラというのは、説明しづらいのですが、
「再利用」や「汎用性」「可読性」などといった概念以前の
プログラミング言語ですので、その点で言えば、
今の恵まれた開発環境を使えば、パワフルにゲームを開発できます。

これはプログラミング言語だけの話ではなく、
デバッガやコンパイラを含めた統合環境についてもそうですし、
グラフィッカーやサウンドの方が使用するツールに関してもそうです。
その点では、必要な技術に関してはともかくとして、
クオリティアップのための調整や量産のために必要な労力としては、
当時よりも大分少なくなっており、それが結果として、
1000Wiiポイントという低価格(主観ですが)につながったのかもしれません。

と、開発についてだけでも長くなってしまったので、
続きは別エントリとして、今度は価格に関するお話を書きたいと思います。
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2008年07月21日 Game Development トラックバック(0) コメント(2)

ファミコンは3色というのは誤解を招きやすい表現なのでなおした方が良いかと。
ファミコンは4色でそのうち一色を透明色として使う場合のみ3色になるだけです
背景に関してはほぼ4色使えますし、ファミコンの場合パターンテーブルが8x8なので
16x16の場合パレットパターンがスプライト、BGともに4つ有るのでキャラに使うと考えて16x16の場合64色中16色が使えます。
又、後期のROMと想定した場合割り込みなどを使う事でさらなる多色表示が可能となります。

もっとも、現状ドッターと言う職業が絶滅種でiModeのときに急に必要になってすさまじい賃金で雇われてたり
サウンドに関しても携帯電話の初期のmmfが中身はFM音源なので当時の職人がもてはやされたという話しは聞きますので
ポイントに関しては理解出来ますが。

2008年07月23日 URL 編集

◆匿名さん
ご指摘のコメントありがとうございます。

「ロックマン」のようなアクションゲームのキャラクターの場合を
想定していたためにあのような表記にしていましたので
訂正させていただきました。ありがとうございます。

16x16ドットのスプライトの場合なら、8x8ドットのスプライト4つ分の
大きさになり、それぞれのスプライトがそれぞれ別の4色(パレット)
を使えるので、8x8=64色中の4x4=16色使える、という計算ですね。
がんばってネットで調べました!

割り込みを使う、というのは、ひょっとすると、インターレースの
偶数ライン描画時と奇数ライン描画時とで、
使用するパレットを変更するというようなことでしょうか。
もしそうだとしたらとんでもない荒技ですね…
プログレッシヴが当たり前の現代ではなしえない発想です。
(必要ないですが…)

賃金という点で言うと、たとえドッターが特殊な技能であったとしても、
世間が必要としなければ、残念ながら賃金はそれほど高くないのが
今の状況ではないかと思います。この辺は、伝統工芸の職人などとも
近いような気はします。エンターテインメントとしては一線を引いて、
アートのような形で残っていくかもしれませんね。

2008年08月12日 ykyky URL 編集












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