「ファイナルファンタジー」の「ビジュアル重視」路線 Game Programmer's (web)Log

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「ファイナルファンタジー」の「ビジュアル重視」路線

またも少々古い話になるのですが、以前エントリにも書いた、
国際ゲーム開発者会議であるGDC(Game Developers Conference)にて
おこなわれた、スクウェアエニックスの研究開発部の方の講演での発言が、
ネットで話題になりました。

スクエニ村田琢氏、「ホワイトエンジン」改め「Crystal Tools」を正式発表
「The Technology of FINAL FANTASY」、質疑応答も全文収録!!(GAME Watch)


そもそものこの講演の主題は、スクウェアエニックスが開発した、
全社統一の共通ゲーム開発ツールである「Crystal Tools」の紹介でした。
ハードの進化に伴い、国内外問わず、汎用のゲーム開発ツールの開発が
急務となっている中で、ついにスクウェアエニックスもその流れに
乗り出したという点で、大きな関心を呼んだ講演でした。

だったのですが、多くのユーザにとっては、この講演の中で出た、

「『ファイナルファンタジー』シリーズは、
キャラクタに非常に比重が置かれたゲーム」


「とにかく“魅せることありき”であり、どのようなキャラクタが、
どのような世界観の中で、どのような活躍をするのかみたいなところから
ゲーム作りが始まるところがあり、ひょっとすると皆さんから見ると
特異に写るかも知れない」


というところに注目が集まる結果となり、掲示板やブログなど
ネットの各所でこの件に関する議論が繰り広げられたようです。

肯定、否定、ともに多くの意見があるかとは思いますが、
私たちがこの議論をする際に、ひとつだけ忘れてはいけないこと
あると私は考えています。

それは、「『ファイナルファンタジー』というゲームは、
一作目の頃から常にビジュアル重視だった」
ということです。

ファミコンでの「ドラゴンクエスト」のブームもあり、
各社いろいろなRPGタイトルを開発していた時代でしたが、
その中でも、「ファイナルファンタジー」のビジュアルは
当時出色の出来だったと記憶しています。

当時は16×16のキャラクターに、決まったパターンの絵を描いて
それをタイル状に並べるのがRPGのお約束だった時代に、
すでに複雑なパターンの森や山などの背景を描いていましたし、
戦闘シーンでは、画面を覆いつくすかのような、巨大で、
かつ緻密に書き込まれたボスキャラが登場し、我々を驚かせました。

その風潮はファミコン最終作である「3」や、スーパーファミコンでの
「6」へも脈々と受け継がれてきたものでもあります。

その風潮は、質疑応答で、開発者の方がおっしゃられている言葉にも
現れているように思います。

「魅せるというところに意識しているのは確かだが、
ゲームデザインとビジュアルデザインは相反しないと思う。
ビジュアル先行で進む珍しい制作スタイルだとは思うが、
どっちが何パーセントというはちょっと違うのではないか。
ただ、ビジュアル優先なのは否定しない。」


つまりは、ゲームデザインを横軸、ビジュアルデザインを縦軸、
という風に考えれば、お互いが足を引っ張るような構造には
ならないだろう
というのが村田氏のおっしゃるところだと思います。

よく、ネットなどで、「ファイナルファンタジーはファミコンの
頃までがよかった」
という声を見ることができますが、
ファミコン時代は、つまり「ゲームデザインとビジュアルデザインを
両立できていたからよかった」ということであって、
ビジュアル重視のゲーム開発が悪いということとは
違う
ように私は思っています。
近作の「ファイナルファンタジー」が面白くないと感じるならば、
どちらかの軸が突出していて、バランスが崩れてきているから
ではないかと思います。

現実問題としては、コストや期間、予算、人材など、
様々な制限の中で開発をしなければならないため、
ビジュアルとゲームデザインがお互いに足を引っ張らない
ということは、一概には言い切れないところではあるのですが、
そんな中でも、きちんとお互いを両立しているゲームは
他にいくらでもあると思います。

「大神」、「ワンダと巨像」、「ゼルダの伝説」、「バイオハザード」
などなど、最高のグラフィックレベルにありながら、
ゲームとしてもずば抜けた面白さを持つゲームは多数あります。


「ビジュアル重視」と言葉にすると反発を覚えるのは仕方ありませんが、
実際にはそのように作られているゲームは存在するわけですし、
ビジュアルを楽しむこともゲームの楽しみの一つですから、
先入観にとらわれず、面白いゲームを見る目を養いたいものです。
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2008年03月13日 Game Development トラックバック(0) コメント(6)

ビジュアル重視はいいんだけどプラットホームの能力を超えられても困る
プラットホームもシリーズも違うけどシルメリアなんか
戦闘エフェクトでコマ落ちどころか処理待ちまでするんだから
SFC並とまではいかなくともFF7位の軽さで出してほしいな

2008年03月15日 kou URL 編集

◆kouさん
コメントありがとうございます。
最近スパムコメントばかりだったので
久々にコメントいただけてうれしく思います。

「ヴァルキリープロファイル2」ですね。
グラフィックスで先進的なことをしているということで
当時話題になったのを覚えています。

CEDECで講演されていることからも、トライエースの
グラフィックの技術力は大変高いという認識なのですが、
ゲーム中では結構処理落ちしているというのは初めて知りました。
確かに、ゲーム中に動きががくついたりすると
がっかりしてしまうことは多いですね。
ビジュアルも大切ですが、ゲームなのでテンポも大切ですから。

ゲームががくつく原因にもいろいろあって、必ず処理落ちとは
限らないので、エフェクトが原因かはわかりませんが、
(ディスク読み込み待ちなどもあります)
そうだとするならばそれも考え物ですね。

「ワンダと巨像」は、可変フレーム対応ということもあって、
場合によってはかなり画面ががくつくことがあるのですが、
個人的にはあまり気にせずにプレイすることができました。
人それぞれだとは思いますが、処理落ちが気にならないほど
熱中できるゲームであればそれでいいのかなという気もします。

2008年03月16日 ykyky URL 編集

自分はプログラムを書けないので素人判断になりますがPCのグラボで
256Mメモリーのボードと512Mメモリーのボードの3D表示のベンチマークを見かけまして
XGAでは差が無かったのにHD解像度だと4倍くらいの差が出ていたと記憶しています
そのあたりがPS3のスペックとかぶるので気になります

ちなみにシルメリアは複数キャラが同時に上級技を出したとき
技のエフェクトと3Dキャラの拡大表示が同時に起こるので
処理落ちになるのですがアクションRPGなので待たされ感がどうも…
ターン制なら心理的負担にはならないんですけどね

2008年03月20日 kou URL 編集

◆kouさん
コメントありがとうございます。
いわゆる「亀レス」ですがご容赦ください。

VRAMが256MBというと確かにちょうどPS3の性能とかぶるところはありますね。
どこかひとつでもボトルネックがあると、動作速度は急激に下がりますので、
全体的にボトルネックをなくしていくことは重要なのですが、
それでも、どうしても特定の状況下においてのみ、
処理が間に合わないというケースは多々出てきます。

通常時の動作では問題ないのであれば、通常時のクオリティを優先して、
特定条件下での処理落ちに関して犠牲にするという選択を
迫られるということは多々ありますので、
おそらく「ヴァルキリープロファイル2」では
そのような選択を取ったということだと思います。
ただ、アクション要素の強いゲームではなかなか厳しいところではありますね。

2008年04月21日 ykyky URL 編集

最近考えた事があるんですけど
画面が綺麗でも面白くないゲームって
・プログラマーの質が良くない
って事なんじゃないのかなぁ、と思ったりします。
これは語弊が生じているので下記で改めますが。

昔のファミコンの時代などはそれこそ身を削る思いでコーディングに頭をうならせていたと思うんです。
例えば有名な話ですが、初代スーパーマリオが40KB程度の容量しか無い
なのに(その容量の中では)なぜあんなにグラフィカルで躍動的だったのか…
昔はドットの世界ですから1pxの動きの調整をこそ極めんとしていたように思えます。

しかし今ではGPUの向上によって様々なグラフィックにおける表現方法が確立し、
その手法を上手く活かすプログラマーが少ないのでは無いでしょうか。
プログラマーにとってゲームを表現するのが困難になって来ているのでは無いか、と感じるわけです。
ルネサンス以降に新しい絵画の技法が生まれましたが、その技法に自分のセンス・能力が追いつかなくて埋もれてしまった画家も多いと思います。
新しい舞台は用意されたが、その舞台に似合うプログラミングスタイルが見つからない、技法を上手く確立できていない
ゲーム作りが難解になり、ユーザが快感と感じるようなプログラミングができていないのでは無いだろうか。
ゲームデザイナーがこれ!と思ったように出来ないのでは無いだろうか、と考えるわけです。
上で言った語弊とはこの事で、プログラマーが下手なのではなく、現行のシステムを活かすには難しいのでは無いかと言う意味です。

2008年05月09日 ジオ URL 編集

◆ジオさん
コメントありがとうございます。

ジオさんのおっしゃることもよく分かるのですが、立場上一応弁解させてください。
苦しい言い訳に聞こえるかもしれませんが…

まず、もちろん今の時代も、身を削る思いでコーディングに頭をうならせています。
ディスクに収めるためのデータ容量削減、ロード時間を短くするための
データ構成やデータ圧縮、それを長く感じさせないためのロードタイミング、
メモリを無駄なく活用するためのメモリ構成とデータ配置、最近の話で言えば、
マルチスレッドやマルチCPUコアによる効果的な処理分散などなどなど…
ファミコン時代よりもさらに考えて工夫するべきところは増えている気すらしています。
でなければ、PS2のようなスペックで「ワンダと巨像」や「グランツーリスモ」、
「ゴッドオブウォー」のようなクオリティのゲームなど到底作ることはできません。

逆に言うと、そういったぎりぎりのスペックアップが当たり前になってきたため、
逆にそれができない(する必要の無い)ゲームが悪く言われるように
なってしまったような気がします。

もうひとつには、単純にユーザの目が肥えたというのも大きくあると思います。
なぜスーパーマリオがあんなに躍動感があったのか。
それは、今までユーザがスーパーマリオのような革新的なゲームを
それまで一度も見たことがなかったからではないでしょうか?
私は、「ゴッドオブウォー」や「スーパーマリオギャラクシー」を初めて見たときに、
似たような興奮を覚えました。

話を元に戻しますと、ファミコン初期のソフトと末期のソフトでは、
クオリティに歴然の差がありますが、PS2以降ではあまりそういった差は
見られなくなってきたように思います。
それはプログラマによるそれまでの技術の積み重ねにより、
ハードの立ち上げ時からでもそれなりに今までの技術を適用できるように、
ゲームプログラミング自体にノウハウがついてきたからだと思います。
プラットフォームメーカーが提供するSDKにもそれは現れていると思いますし、
最近では基本的なゲームエンジンまで提供することも珍しくありません。

なぜ、グラフィックはきれいでも面白くないゲームが増えてしまったのか、
(個人的にはグラフィックがきれいで、かつ面白いゲームも山ほどあるとは
思いますが)それについては別エントリに書き起こしてみようかと思います。

2008年05月10日 ykyky URL 編集












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