海外のGOTY、日本のGOTY(2)
さて、前回のエントリで、日本のGame of the Year
(略してGOTY:その年一番よかったゲームを表彰するという催し)が
いまいち盛り上がっていないというお話を書きました。
CESAが主催し、東京ゲームショウで発表している、「日本ゲーム大賞」
のお話をしましたので、今度は、エンターブレインが主催している、
「ファミ通アワード」のお話をしてみます。
エンターブレインと言えば、良くも悪くも業界ナンバーワンの
ゲーム情報誌である「ファミ通」の発行元です。
ファミ通アワードは、読者の投票を元にして、
「なんらかの」厳正な審査の上で決定される賞です。
2007年に発売されたソフトの中からNo.1を決める!! ファミ通アワード 2007(ファミ通.com)
2006年の結果を見る限り、まあ妥当とも言えますし、
作為的に見える人もいるかもしれません。
つい最近話題になった、「らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜」の
仕様について間違った記載があったという事件からもわかるように、
何かと黒い噂の絶えないファミ通のことですので、
賛否両論あるのは仕方のないところでしょう。
詳しく触れられておらず、決まった結果のみを大々的に発表しています。
賞を決めるということで、本当に必要なのは結果ではなく、
なぜ選ばれたのかという部分でしょう。
そこを明らかにしない限りは、いつまで経ってもユーザから
あれこれと邪推されることは避けられません。
そういう意味で、何週間か前にファミ通で掲載されていた、
編集者が選ぶ個人的ゲームオブザイヤーの記事を読んで、
あれこそが本来もっと大きくピックアップすべき記事だと思いました。
日本のゲームの賞は、そのほとんどが、ユーザによる投票を
重要視して決定してしまいますが、海外ではそのような方法を
取ることは案外まれなことです。
なぜかといえば、私が思うに、「ユーザは自分の購入したゲームしか
評価することができない」からです。
つまりは、売れたゲームから順番に票が集まっていくわけです。
当たり前のことですが、日本のゲームの賞が面白くならない理由は
このあたりにもあるのではないかと私は考えています。
もちろん、売れたからといって、評価されなかったゲームも
たくさんありますし、売れた数はそこそこでも、
熱狂的なファンを持つゲームというのはありますが、
結局のところ、そういった「売れ線の超メジャーゲーム」と、
「一部のコアな発言力の大きいユーザに支えられたゲーム」で
賞が埋め尽くされることになります。
日本ゲーム大賞のフューチャー部門(今後発売されるタイトルに
対して期待を込めて送られる賞)のタイトルを見れば、
それがよく分かる結果だと言えるでしょう。
それ自体が悪いことだとは思いませんが、やはり面白みに欠ける
という点は否めないかと思っています。
というところで、興味深い記事がN-Stylesさん(任天堂系情報ブログ)
のところにありましたのでご紹介しておきます。
日本ゲーム大賞の「フューチャー部門」の選考過程が気持ち悪い(N-Styles)
私の言ってきたこととはまったく違う見解に基づいて、
このフューチャー部門を批評しておられます。
おっしゃられるとおり、CESAの思惑が入っていることは
否定できない事実のような気がしてきます。
投票に関しては、実際に東京ゲームショウに来場した人を
対象にして受け付けているため、「よっぽどゲームが好きで
幕張にまで行けてしまう人で、なおかつ投票まで喜んで
引き受けてしまうユーザ」が投票しているわけです。
ある程度の偏りはこの時点ですでに予想できます。
残りは、プロデューサの力量次第、というところでしょうか。
作る側としては、何かにつけ賞をもらえるということは
素直にうれしいことではあるのですが、あまりにも
ゲームの面白さという本質をないがしろにした選考内容に
なってはいないかというのが私が思うところです。
余談ですが、Game*SparkのGOTYもつい先日発表になりました。
海外ゲームが主な受賞作になっていますが、ゲームデザインの面白さ、
という点を重要視した結果になっていると思いますので、
ご興味のある方はぜひご覧ください。
ただ、ユーザからの投票の割には、投票数が少なくて寂しい限りですが…
ゲームスパークGOTY 07 総合結果発表!(Game*Spark)
そして、Game*Sparkのエディターが選ぶGOTYも合わせて発表されています。
エディターの好みがよくわかる、なかなか興味深いチョイスです。
どのエディターの方も納得の選択だと思います。
ゲームスパークGOTY 07 番外編: Game*Sparkスタッフに聞いてみた(Game*Spark)
番外編として、ちょっと面白いGOTYがあるので、
それはこの次のエントリでご紹介します。


