「ワールドディストラクション」がダメな理由を勝手に妄想してみる Game Programmer's (web)Log

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「ワールドディストラクション」がダメな理由を勝手に妄想してみる

エントリ名に具体的なタイトル名を挙げたほうがキャッチーかなと思い、
挑戦的なエントリ名をつけてみました。

普段拝読させていただいているブログ「げむげむまにあ」さんのエントリから。

NDS『ワールドデストラクション』(怒りの)プレイレビュー(げむげむまにあ)

セガからリリースされているDSのRPG「ワールドデストラクション」について、
レビューを書かれています。

私自身は、特に興味を惹かれなかったゲームですし、プレイはおろか、
動画すら見たことがなかったりするのですが、このエントリを見て、
どうしても書かずにはいられないことがあったため、失礼を承知で物申します。

あくまで、ネタ元の「げむげむまにあ」さんの記事に対してのつっこみですので、
「実際のゲームはそんなことない!」と感じた方はスルーしてやってください。
そもそも、このゲームのことをよく知らない立場で書きますので、
その辺はあらかじめご了承ください。

さて、勝手ながら該当記事より本文を引用させていただきながら所見を述べます。

(記事より)
------------------------
グラフィック→頑張った。
サウンド→頑張った。
プログラム→頑張った。
プロデューサー&ディレクター→打ち首獄門


こんなかんじのゲームです。

------------------------

理由は後述しますが、私の場合、これとはまったく逆の印象を受けました。
プロデューサーとディレクターがかなりがんばったにも関わらず、
現場の制作サイドがそれに応えられなかったと。

大手パブリッシャーのセガが手がけていることもありますが、
それまであまりヒットに恵まれなかった、DSでの新規RPGタイトルという
分野において、ファミ通を初めとする、さまざまなメディアでの初出の
特集記事のページ数や、それに対するユーザーの好意的な反応

などを見ても、プロデューサーや広報の方はきちんとした広告展開を考えて、
実際にそれが花開いた結果のように見受けられました。

今時のゲームユーザーが好みそうな、ポップで少し毒のある世界観や、
少年雑誌に出てきそうな、ど真ん中のキャラクターデザイン、
そして、今や様々なゲームやアニメで活躍されており、
ゲーマーからもなじみの深い声優陣と、「売る」ことに関して、
まったく隙がないと言って過言ではない
構成で固めたところにも、
プロデューサーやディレクターの、市場への意識の高さがうかがえます。

そして極めつけは、テレビアニメ、マンガとのメディアミックス。
まだ実績も何もない新規タイトルに、これだけの大掛かりな仕掛けを
打ち出せるというのは、それこそプロデューサー、ディレクターの
手腕以外の何物でもないと思っています。

そこまでのお膳立てをして、「売るだけの土壌は整った!」と
言わんばかりの働きをしてくれれば、やはり現場の人間の
モチベーションは高まるはずです。


ですが、「げむげむまにあ」さんのこの記事の中でも、
amazonのユーザーレビューでも言われているように、
(それが事実だという前提で)このゲームの「遊び」の部分に
大きな問題点を残しているのですから、これが現場の責任でなくて
誰の責任になるのでしょうか、
というのが私がこの記事を読んで
真っ先に思った感想です。

さて、気になるところはまだあります。

(記事より)
------------------------
■とにもかくにも調整不足。プロデューサー&ディレクターに猛省を促したい。
------------------------

調整期間をどの程度に設定するのか、ということに関しては、
スケジュールを握るディレクター、プロデューサーの役割であることは
間違いないと思います。もしも、本当はもっと調整したかったにも関わらず、
その調整期間をケチったために今の完成像があるのだとすれば、
それはやはりトップの責任になりますが、その後に続く内容を読むに、
もう少し根本的な部分での話のような気がしてなりません。

(記事より)
------------------------
・ガッカリポイントその1 ゲーム全体の難易度曲線のさじ加減がまるでダメ
・ガッカリポイントその2 戦闘関係の計算式を見せてみろw
・ガッカリポイントその3 自キャラが全員回復系スキルや攻撃系スキル持ってるってどうよ?

------------------------

どれもこれも、RPGというゲームとして考えた際に、致命的な問題点ばかりです。
これらの問題点が、「現場レベルで認識していたがそのままになった」か、
「現場レベルでもまったく自覚されていなかった」かによって、
意味合いが大きく変わってきます。

私の感覚では、「ディレクター≠メインプランナー(ゲームデザイナー)」だと
いう認識ですので、こういった部分の仕様決定は、すべてメインプランナーの
役割だと考えています。

(DSのような小規模なプロジェクトでは状況も違うかもしれませんが、
個人的にディレクターがメインプランナーを兼ねる時代は終わった
と思っています)

まして、「ワールドディストラクション」というゲームの場合、
「遊び」の部分以外でディレクションしなければならないことが多すぎるため、
(メディアミックスしかり、広告展開しかり)
ディレクターが、そんなゲームの一仕様や調整項目に対してまで、
一つ一つに細かい指示が出せるような状況ではなかったと考えています。


また、明らかなゲームバランスの不備があるにも関わらず、
早期の段階でそれを方針転換できなかった理由が、
メインプランナーやディレクターの「ごり押し」であるならば別ですが、
そうでないのであれば、真っ先にゲームに触ることができる、
プログラマの段階でそれができていなかったことは大きな問題です。


「バグのないプログラムを書く」ことや「他セクションの要求に正確に応える」
ということはプログラマとしては必要な資質ですが、
「ゲームプログラマ」という職種である以上は、「ゲームを面白くする」
ことができなければ、優秀なゲームプログラマとは呼べません。


特に、プログラマは数字に強いこと、論理的な思考と冷静な判断ができることが
大前提でなければいけませんので、そういう意味では、他セクションよりも、
俯瞰でゲームを見ることができる立場でなければいけないはずです。
(というのが私のゲームプログラミングにおける持論です)
RPGやストラテジーのような、ロジカルなゲームデザインのゲームにおける
ルール設計では一番に能力を発揮できなければならない立場のはずです。


ですので、こういった問題点が残ってしまったことの原因を妄想するならば、
・ディレクターの目指すゲームコンセプトがそもそも間違っていた
・プランナー、プログラマ一人一人のゲームに対する意識が低かった

のどちらかなのではないでしょうか。
(個人的には後者だと思っています)

まだまだ物申したいことがあるのですが、長くなったので切ります。
続かないかもしれませんが…
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2008年10月30日 Game Development トラックバック(0) コメント(5)

両方とも駄目だった可能性もあるのでは?
このゲームの開発元のイメージエポックは有名クリエーターや声優を使ってそのファンを釣るというイメージで固まってきてます。
当然それらのギャラは宣伝も含めて高くなるのでゲーム開発にお金(時間)は掛けられません。そのためディレクターや現場も手を抜くんじゃないでしょうか。

2008年10月30日 URL 編集

そんなに真っ当な意見をぶつけたら

厨房が可哀想ですよ^^;

2008年10月30日 URL 編集

どうしようもなく「亀レス」であること、何卒ご容赦ください。

◆匿名さん
コメントありがとうございます。

イメージエポックに限った話ではなく、現在国内をターゲットに
ゲームを売ろうと思った場合、逆に有名クリエイターや声優を使って
そのファンを釣っていないゲーム、というのを私はほとんど知りません。
それくらい現在のゲーム業界では当たり前の戦略であり、
何もイメージエポックだけが責められる話ではないと思っています。

もちろん、有名クリエイターや声優を使うことで、
余計に予算が必要になることは間違いありませんが、
私の感覚で言うと、それこそ「龍が如く」や「レイトン教授」に
出演されているような俳優の方々であるならともかく、
日本国内の声優や、まして単なるゲームクリエイター個人にかかる費用は、
ゲームの開発スタッフの人件費に比べればたかが知れていると思います。
(だからこそ、それほど規模の大きくないゲームでも、
費用対効果を考えれば声優を起用するということは「常套手段」なわけです)
広告費に関してはそれなりに比重の大きなところではあると思います。

要するに、看板に対して中身が伴っていないことが問題とされるのであって、
そうなると、やはり中身を作る現場の人間の責任は無視できないと思うわけです。

ただ、ネットのブログなどをいくつか拝見したのですが、
やはりキャラクターや世界観重視でRPGをプレイしている方の中には、
ファンを自称する方もそれなりにいらっしゃるようですし、
そういった方を対象にしたときに、ゲームの難易度が高いことによって、
最後までプレイしてもらえないという事態だけは避けなければならない、
ということを考えると、あまり戦略を練らなくとも最後までたどり着けるほど
「ヌルく」調整するということは、100%マイナスとも言い切れない気もします。
「歯ごたえのあるゲームかどうか」が評価基準にまったく左右されない
客層を相手に考えた場合はそういう選択肢もあるかもしれません。
私自身はそういうゲームは好みませんが…

本来であれば、キャラクター重視のユーザーにも、ゲームプレイ重視のユーザーにも
どちらにも楽しめるだけの幅広い受け皿を持っているのが理想的ですが、
(ドラクエやテイルズオブシリーズなどはまさにその代表格だと思います)
それを実現するにはもちろんスタッフのスキルも潤沢な予算も必要になります。
その部分を切らざるを得ないといった状況で、得意な方向を取った、
という風に好意的に解釈することもできます。
少なくとも「楽しかった」と言っているユーザーは一定数いるのですから。

◆匿名その2さん
コメントありがとうございます。

ここで言う「厨房」というのは、誰のことを指しているのでしょう?
プロデューサー、ディレクターでしょうか?
プレイしているユーザーでしょうか?
それともげむげむまにあさんでしょうか?
いまいち私には読み取れませんでしたが…

2009年01月07日 ykyky URL 編集

記事に「プランナー」という言葉が出てこないので、「ディレクター=メインプランナー」なのではないでしょうか?
あと、例えば「プログラマ→頑張った」ではなく「プログラム→頑張った」というところもポイントかも?いや、これは深読みしすぎですかね(笑)

2010年08月11日 f URL 編集

◆fさん
コメントありがとうございます。

確かにプランナーの文字がありませんね。
とは言えなんですが、この辺の調整部分は、チーム全員でやるものだ
という風に私は考えていますので、プランナーのみの責任とは考えません。

前にも別のエントリで書いたかもしれませんが、
ゲームプログラマがなぜ「ゲーム」プログラマなのかと言えば、
仕様通りにコードを書くだけの仕事ではないからです。

そのゲームを面白くするには、どのように設計してコードを組むか、
というところまで考えが及ばないプログラマは「ゲームプログラマ」とは
呼べないと私は考えています。
ゲームとして面白くない仕様をプランナーが出してきたのであれば、
プログラマは勇気を持って、その仕様をリジェクトする必要があります。
(もちろん、単なる好みで判断するのではなく、ディレクターの意向に
正しく沿っているかを考慮することが前提です)

結局このときは続きを書かなかったのですが、元となるエントリの中に、
「ゲーム完成直前まで戦闘の計算式は調整できる」といった、
ゲームデザイナーが聞いたら腰を抜かしそうな発言をしていたりするので、
あまり信用はしていなかったりはします。

2010年09月06日 ykyky URL 編集












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